2007山行報告へ
2007年山スキー
日照岳 ひでりだけ 1751m 岐阜県高山市・白川村
2007年1月20日 曇り時々晴れ
日程:駐車場793m 7:00/14:20
尾根1270m 9:33
1534mJ.P11:00/13:30
1751m山頂12:10/13:00
メンバー:山ごろ氏、森
@60センチほどの積雪か | Aやぶは濃く、急斜面はつらい。 |
B1570m付近のお気に入り疎林帯。 | C山頂からの東方面。 |
DJPまでは直滑降が主体。 | E連瀑と思われるV字谷を通過する。 |
久々に日照岳山頂を踏めて感慨深かった。2003年以来の日照岳である。昨年はガスのため1534mJPで退却。1月にこの山にはいるとはかっては考えられなかった。3月の締まった雪の時期に登るのが会の定番であったが雪不足のせいで適した山が少なく、1月にラッセル覚悟でいく。
登り始めは締まった雪の上にくるぶし程度のラッセル。しかし1000m以上になると靴ラッセルになる。特に尾根上は木の枝などのブッシュがあってスキーにひっかかり、コース取りが難しい。またスリップの連続である。前日のトレースはショートスキーとスノーシューのようで、我ら山テレ・山スキーと今ひとつあわない。JPの先100mほどでトレースは終わっていた。我らの独壇場となるが靴ラッセルはなかなかピークにつかない。締まった雪ならばJPから30〜40分程度でつくはずなのに1時間要した。しかし日照岳の山頂は期待を裏切らない。白山、三方崩山、猿が馬場山のパノラマ景色を満喫できた。
さて下りであるが前日のトレースもありJPから谷滑降にはいる。始めは湿雪パウダーで楽しむ。が後半は地図上でも予測されるようにゴルジュか連瀑帯かとうかがえるほどのV字谷である。フォールラインは狭すぎて滑降が困難なところもあり、横滑りも入れて降りていく。ようやく登りのトレースに出くわしてほっとする。一気に駐車場まで滑って本日終了。雪が多くあってブッシュが隠れていれば、登りのルートで滑った方が快適のようだ。
大日ヶ岳 だいにちがたけ 1709m 岐阜県郡上市
2007年2月3日 晴れ
日程:駐車地点897m 11:20 16:50
稜線 1558m 14:00 16:00
山頂 1709m 14:45/15:00
メンバー:一人
@標高920mの旧道を振り返る。 | A中央最奥が大日ヶ岳。 |
B稜線は高速道路or膝上ラッセル。 | C山頂からのきれいな斜面、実は表面クラスト。 |
D山頂は我一人、強風で素早く立ち去る。 | もどる |
前日の寒波で40センチほどの新雪が石徹白かいわいでもあった。当初は野伏ヶ岳を計画、現地まで行くと他に登山者はなし。トレースなしでは今日の雪での野伏ヶ岳山頂はむつかしい。それなら体力作りと割り切り大日ヶ岳へ転進。なんと出発は11時20分、ここでゴンドラを使うと不完全燃焼で明日も山へ行きたくなりそうなので(明日は家の用事)、高鷲SPを歩いて登り、山頂をめざすことにした。
ゲレンデの騒々しい中を我慢すること2時間あまり、ようやくスキー場から抜けて稜線へたどり着いた。トレースがあるのでスムーズに歩けるものの、コースを外すと完全膝ラッセルである。ここからさらに45分かかって山頂に着いた。15時過ぎにはさすがに登山者は皆無。風も強くなってきた。東面のカマス谷のパウダーを期待して滑るが、この時間帯は太陽で融けた表雪面が冷えてクラストスキー操作は難渋を強いられた。時間も遅く安全に気をつけ往路を滑降した。
取立山 とりたてやま 1307m 福井県勝山市
・2007年2月12日 小雪後晴れ、曇り、小雪
・日程 :駐車地点東山いこいの森613m 7:45
自然公園 880m 9:30
山頂1307m 11:30
こつぶり山1264m 12:40
護摩堂谷右岸尾根JP1114m 13:20
国道 640m 15:30
東山いこいの森613m 16:00
メンバー:山ごろ氏、森
@雪は止んだ、いざ出発。 | Aあれれ、雪が降り出す始末、自然公園。 |
B晴れた、山頂直下の稜線。 | C取立山山頂、こつぶり山をバックに気分は最高。 |
D山頂北面を極める?山ごろさん。 | E振り返れば取立銀座。 |
F対照的に静寂こつぶり山。 | G正面中央が滑降予定の尾根、右に護摩堂山。 |
Hガスの中GPSを友に地形読み超湿雪と格闘する。 | I国道だ、ばんざ〜い。 |
山スキーはガスがはいると厳しい山行になることを象徴するかのような取立山周回コースであった。
岐阜の油坂峠付近より雪になり、勝山市でもみぞれ7時半頃に止む。天候の回復は遅いようだ。午後には晴れるということで期待して支度する。自然公園辺りでも雪が降り出す様相であるがルートがわかりやすい、またトレースが数本ある。くるぶし〜靴ラッセルという深さである。寡雪の今年は、殆ど登山道沿いに登る。ちと退屈であるが、1080mから尾根に飛び出すととても気持ちいい。登山道のために切り開きになっているため視界は満点である。11時頃より太陽が出ていよいよ盛り上がる。山頂11時半、休憩をしているとざっと18人にふくれあがり、銀座になる。天候も回復したので当初の計画通り、周回コースへ。昼食は静寂を求めてこつぶり山へいく。先客が一人いるのみで昼食にしようかとするとにわかに雲が増えているではないか。護摩堂右岸尾根も下からガスがあがり始めている。昼食を手短にすませ、シールで護摩堂谷右岸尾根JPまで急ぐ。視界は100mほどになっている。GPSは心強い友であるが、晴れに勝るものではない。ここからはノートラックであり、尾根上1041mまではシール滑降にする。ストックが易々と沈み込んでしまう湿雪である。ここからはシールを外し滑降する。やぶはあるもののなかなかいい尾根である。雪が少なくてもこの状態なので例年なら山スキー向きといえよう。昨年なら護摩堂谷滑降も可能であろう。国道トラックの音が聞こえた700m地点で尾根を外し、シールを付け登り返しとトラバースで戻る。杉植林帯を縫って国道に出る。
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輝山 てらしやま 2063m 岐阜県高山市
・2007年2月17日 晴れ
・日程 :駐車地点 平湯トンネル西口付近1428m 6:50/12:30
南尾根取り付き 1518m 7:30
山頂 2063m10:30/11:25
・メンバー:山ごろ氏、森
@乗鞍スカイラインへの西入り口です。 | Aきれいな尾根です。向かいの尾根は猫岳に続きます。 |
B先行のパーティーが滑ってきました。 | C山頂からはアナカンダ山がよく見えます。 |
D西面はカリカリ、東面は深雪です。 | E1850m付近からは東面に滑り込みます。 |
Fノートラックの東面は深雪、湿雪滑降です。 | Gテレマークを決める山ごろさん。 |
Hフィナーレのスカイライン道です。 | もどる |
奥美濃や福井県を中心に活動している私たちにとって飛騨方面は県内でありながら近いようで遠い存在である(高速料金が必要なため)。しかし今年の雪の少なさは私たちを雪の多い飛騨方面へ駆り立てる。そんなわけで今年初の飛騨方面ということになったのであるが、午後から崩れるとの予報で、短時間に登れてわかりやすい輝山南尾根コースにする。標高差650mは伊吹山3合目〜山頂程度でもの足りなさを感じるかもしれないがこの平湯エリアの偵察もかねて興味深い。
さてスカイライン西入口から歩き始める。すでに1パーティが出発していた。南尾根取り付きはところどころやぶが出ているが、先日の雨のせいか、冷え込みのせいかカリカリである。クトーを使って滑落しないように慎重に急斜面をジグザグで登る。先行パーティの声がきこえた。1550mまであがると尾根は広くなり見晴らしも良い。特に久手牧場からの猫岳コースの下部の部分がよくわかり、山スキー屋も見ることができた。尾根は切り開いてあるため展望良く、このような山はそうないねと山ごろさんと語りながら登る。膝ラッセルを覚悟していたのに、くるぶしラッセルでまことに快適である。尾根の東斜面は靴ラッセル、西斜面はクラスト斜面と変化が大きい。切り開きは陽が良く当たるため融けてクラストしているようである。山頂へは3時間半程度で到着。快晴の中、アカンダナ山、白谷山を確認した。同じ輝山でも北東尾根や北北東尾根は膝ラッセル以深で登頂には5〜6時間かかりそうだ。
さて滑降にかかる。切り開き尾根を颯爽と行こうとするがカリカリバーンはおっかない。西に寄りすぎると谷まで滑落しそうである。1750mくらいからは、東面にノートラックのバーンが広がるようになり、山ごろさんと交互に滑り込む。15センチほどの深雪で時にカタツムリが落ちてくるがおおむねパウダー感覚が味わえる。そして斜面が荒れていないことが何よりの喜びであった。快感のうちに滑降終了となってしまったが、それにあわせて雲も出てきた。車横まで滑走して終了。朴の木の温泉でストレッチをして帰路につく。
猫岳 ねこだけ 2581m 岐阜県高山市
・2007年2月24日 曇り、ガス、晴れ、後雪
・日程 :駐車地点 久手牧場入り口1390m 7:20/14:10
夫婦松 1970m 9:40
スカイライン 2228m10:50
山頂 2581m12:15/12:45
・メンバー:山ごろ氏、森
@雪の少ない今年、皆さん来るところはいっしょ? | A久手牧場からの尾根をすすむ。 |
(写真提供:山ごろ氏) | |
Bやばい。ガスが出てきた。正面は輝山。 | Cスカイラインに出る頃には雲上にあがる。 |
D標高1970mの夫婦松です。高度中間地点。 | E光の中、木のアーチが歓迎してくれます。 |
F2590m地点、正面に猫岳です。 | G松本の皆さんはもう下ってきました。はや〜。 |
H最後の猫岳の登りで息が切れます。 | I乗鞍連峰、中央に剣が峰、大日岳が見えます。 |
J大崩山にむかって、イェ〜イと気合いです。 | K中間部は樹林帯、最後は牧場自然ゲレンデです。 |
L久手牧場さん、ありがとうございました。 (写真提供:山ごろ氏) |
一週前に登った輝山から猫岳への第3尾根がよく見えていた。一度は行ってみたいと思えるコースであった。特に下部は久手牧場の切り開きが美しい。しかし我が山岳会の牛丸氏より「中間部はなかなか樹林が濃いぞ、ガスるとコースがわかりにくい乗鞍特有の広い尾根だ。」と聞いていた。天候は今ひとつで中間部は深い霧の中である。しかし山ごろ氏の知り合いの松本市の4人パーティがあっという間に先行されてトレースを使わさせていただく。下部でくるぶしラッセルである。
1700mくらいからガスの中に突入。まあGPSがあるので行けるところまで行こうという気持ちで行く。数日前のトレースもうっすらと見えるが我々だけならコース取りに時間を要すると思われた。ところが夫婦松のスカイラインに出る頃には陽射しがさしてきて雲も殆どなくなってしまった。しかし風は冷たく帽子の耳当てを付けている状態である。遠方ではガスが下からあがってくるのが見られるがこの周辺ではかなり良い状態である。樹林帯はかなり密生でありトレースがない状態やガスがはいっているときはコース取りに要注意である。2590m地点からは猫岳が正面に見え快適そのもの、スカイラインを大崩山と猫岳の中間まで行く。その後は猫岳一直線である。先行のパーティがもう滑ってきた。同時に出発したが30分以上早く登頂したようだ。高所に強くない私は、山ごろさんに10分遅れで山頂についた。
結局スキーアイゼンなしで丘のような山頂に着くことができた。東南に四つ岳、南方面に剣が峰、大日岳と臨むことができた。時折ガスが下からあがってくるので、早めに滑降に取りかかる。大崩山に向かってクラストとシュラカブを転倒しないようにこなしていく。2300mくらいからガスと小雪に見舞われ、おまけに濃い樹林帯であるので、お互い離れ過ぎないように声をかけ合って滑っていく。久手牧場上1700mくらいにくると下部が見渡せ自然ゲレンデとなる。林道があるため、段差や起伏が多い第3尾根であるが切り開きにより気持ちの良い滑降ができた。樹林帯の消化不良の滑りをここで解消できたようである。松本の皆さん、ラッセルありがとうございました。
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薙刀山 なぎなたやま 1647m 〜 野伏ヶ岳 のぶせがたけ 1674m 岐阜県郡上市
・2007年3月3日 曇り、一時的に時雨、曇り時々晴れ、
・日程 :駐車地点 白山中居神社 727m 6:50/15:20
和田山牧場 1035m 8:10/14:10
北東尾根末端1210m 9:30
稜線鞍部 1485m 10:50
薙刀山 1647m 11:30/12:15
野伏ヶ岳 1674m 13:15/13:40
・メンバー:山ごろ氏、森
@白山中居神社から出発、白いのは野伏だよ。 | A和田山牧場、茶色いね。中央が薙刀山。 |
B平原を行くがこんなに割れています。 | C推高谷を大日ヶ岳方面を背にして登る。 |
D野伏ヶ岳を背に稜線を行く。写真提供:山ごろ氏 | E薙刀山直下はパックリコン。 |
F薙刀山山頂にて。左に経が岳、右に赤兎山、晴れてきて360度どの山も素晴らしい。 | |
G薙刀山のここを滑ってきました。 | H薙刀山から野伏ヶ岳へ向かう。 |
I野伏ヶ岳山頂からの滑降。 | J南東ルンゼに飛び込む山ごろさん。 |
Kなかなか手強いルンゼ。 | L和田山牧場へのエピローグ。 |
薙刀山から野伏ヶ岳のコースは素晴らしいことが昨年わかった。特に推高谷は斜度が適度にあり広く気持ちがよい。そして野伏ヶ岳を左に眺めての登高は美しさに魅了されて疲れることに気づかない。
さてこの日の天気予報は午前中は雨であった。案の上、野伏ヶ岳北東尾根を回り込んだあたりより時雨れ始める。標高1000m以上にガスがかかり始め、いやな予感が。しかし1時間もするとガスが飛んでいく。本当に予報通りの気圧の谷が通過した感じである。そして薙刀山頂に達した頃には、太陽も見え隠れし始めた。本当にうれしかった。薙刀では登山者が一人あがってみえたのみであるが、和歌山のObaさんのグループが少し前によも太郎山に向けて出発していたことをHPで知った。山頂からは福井県方面の経が岳、赤兎山、大長山がお見事な景色であった。雪は南面で締まり雪で滑りに申し分なし。野伏への北面で5センチほど沈んだが概ね、良く締まって歩きやすかった。野伏ヶ岳山頂は、取立山並みの銀座であった。稜線は靴跡まるけであったがダイレクト尾根と北東尾根の間のルンゼへ滑り込み今年初のルンゼ滑降をした。残念ながら日光で緩んだ雪に加え、先行者のシュプールがあり少し滑りにくかった。が台地上に出るとしっかり締まっており快適な滑降で和田山牧場に向かうことができた。林道は雪融けが進み、5,6回はスキーをを脱着した。
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